ヤリイカ・スルメイカの船釣り|ブランコと直結の使い分けと乗せ方

ヤリイカ・スルメイカ|ブランコと直結の使い分け フィッシングボート

冬の船釣りの主役がヤリイカとスルメイカです。他の魚が渋くなる季節に、確実に数が狙える貴重なターゲットになります。

そして何より釣りたてのイカの刺身は別次元です。透明で甘い。スーパーで買うイカとは別の食べ物だと感じるはずです。

この記事では、この釣り特有の「ブランコと直結」という仕掛けの選択から、多点掛けの狙い方までを解説します。

ヤリイカとスルメイカの違い

ヤリイカスルメイカ
時期冬〜春(12〜4月)初夏〜秋が中心、地域差大
身の特徴柔らかく甘い。刺身向きしっかりした食感。加工にも向く
棚(タナ)底付近が多い中層に浮くことも多い
引き比較的おとなしい強い。多点掛けだと重い

どちらも同じタックルで狙えます。混じって釣れることも珍しくありません。

タックル

アイテム目安
ロッドイカ専用 1.5〜1.8m/7:3調子、オモリ負荷150号前後
リール小型〜中型電動リール(水深80〜150m)
ラインPE3〜4号/300m以上
仕掛けプラヅノ11cm前後を5〜7本
オモリ120〜150号(船・海域の指定に従う)

電動リールがほぼ前提

水深100m前後から、複数のイカが付いた重い仕掛けを何度も巻き上げます。手巻きでは午前中で腕が終わります。

なお、船の始動用バッテリーから電源を取ると洋上でエンジンがかからなくなる恐れがあります。独立した釣り用バッテリーを用意してください。

ブランコと直結——この釣り最大の分岐

イカ釣りの仕掛けには2つの系統があり、性格がまったく違います。

ブランコ仕掛け直結仕掛け
構造枝スでツノをぶら下げる幹糸に直接ツノを結ぶ
乗り乗りやすいやや乗りにくい
バラシ巻き上げ中もバレにくいテンションが抜けると即バレる
多点掛けしやすい上級者は大量に掛ける
絡みやや絡みやすい絡みにくい
難易度易しい難しい

初心者は迷わずブランコ

直結は巻き上げ中に一瞬でもテンションが緩むとイカが落ちます。船が波で上下しただけでバレる。一定速度で巻き続ける技術が要求されます。

ブランコなら枝スが緩衝材になるので、多少雑でも落ちません。まずはブランコで釣り方を覚え、慣れてから直結に挑戦するのが正しい順序です。

投入の手順(トラブルを防ぐ)

ツノが5〜7本ぶら下がった仕掛けは絡むと復旧に10分かかります。投入の作法が重要です。

  1. 投入器(イカ用のツノ受け)にツノを順番に並べる
  2. オモリを先に落とす
  3. 仕掛けが引かれて、ツノが順に出ていくのを確認する
  4. 途中で止めない。一気に落とす
  5. 着底したらすぐ糸フケを取る

投入器は必須級の道具です。これがないと、船上でツノが絡み合って釣りになりません。

誘い方(シャクリ)

基本のパターン

  1. 着底させる
  2. 竿を大きくシャクり上げる(1m程度)
  3. ゆっくり竿を戻す(テンションは保つ)
  4. これを数回繰り返す
  5. 数メートル巻き上げて、また繰り返す
  6. 底から20〜30m探ったら、落とし直す

シャクリのコツ

  • 鋭く上げて、ゆっくり止める。この「止め」で乗ります
  • 止めているときにイカが抱きつく。シャクリっぱなしでは乗らない
  • ヤリイカはゆっくりめの誘い、スルメイカは速めの誘いが効くことが多い
  • 反応がない日は誘いのテンポを大きく変えてみる

乗ったときの感触

「グンッ」と重くなる、あるいはシャクったときに変な重みがあるという形で出ます。

  • 乗ったと感じてもすぐ巻き上げない
  • その場でもう2〜3回シャクると、他のツノにも乗ります(追い乗せ)
  • 重みが増えていくのが分かる
  • ただし欲張りすぎると最初の1杯が落ちるので、1分程度が目安

巻き上げと取り込み

  • 電動は中速で一定。速すぎるとバレます
  • 絶対に止めない。特に直結では致命的
  • 水面に見えたら電動を止め、手で手繰る
  • ツノを順番に投入器へ戻しながらイカを外す
  • この「戻しながら」が次の投入をスムーズにします

墨対策

イカは必ず墨を吐きます。これは避けられません。

  • 取り込み時は自分に向けない。頭を下に向けて水を切る
  • 汚れてもいい服・カッパを着る。墨は落ちにくい
  • 専用のイカ用バッカンがあると船が汚れない
  • 帰港後はすぐ真水で洗う。乾くと落ちなくなります

オーナー艇での注意点

  • 冬の釣りである前提。防寒と落水対策を最優先に
  • 低水温期の落水は短時間で行動不能になります。ライフジャケット必着
  • 季節風で出られる日が限られる。無理をしない
  • 水深があるため電源の余裕を確保する
  • 夜間・早朝に及ぶ場合は航海灯と慣れた海域の条件を満たすこと

持ち帰り

  • 釣ったらすぐ締める(目と目の間を刺す)と透明感が保てる
  • 氷に直接触れさせない。ジップ袋か新聞紙で包む
  • 数が多いのでクーラーは大きめ
  • 刺身は当日。沖漬けにするなら醤油ダレを船に持ち込む
  • 一夜干し・煮付け・天ぷらもよい

よくある質問

Q. ツノは何本がいいですか?

初心者は5本程度から。本数が増えるほど絡みやすく、投入と取り込みが難しくなります。慣れてきたら7本、と増やしてください。なお、船や海域によって本数が指定されていることがあるので、遊漁船に乗る場合は事前確認を。

Q. ツノの色は何を揃えればいいですか?

ピンク・赤白・ブルー・グロー(夜光)あたりを混ぜて付けておき、乗った色を見て次から増やす、というやり方が定番です。1本の仕掛けに複数色を付けておけば、その日のアタリカラーが自然に分かります。

Q. 直結はいつ挑戦すればいいですか?

ブランコで安定して数が釣れるようになってからで十分です。直結の利点は多点掛けと絡みにくさですが、それは巻き上げのテンションを一定に保てる人だけが受けられる恩恵です。焦る必要はありません。

Q. 乗るのにバレてしまいます

巻き上げ中にテンションが抜けています。電動の速度を落として一定に、そして竿の角度を保つこと。波で船が上下したとき、竿でその分を吸収する意識を持つと改善します。ブランコ仕掛けに変えるのも有効な対処です。

ヤリイカ・スルメイカの道具を探す

本記事で解説した基準にあてはまる商品を探せるように、カテゴリ別の検索リンクをまとめました。価格や在庫は変動するため、リンク先で最新の情報をご確認ください。

カテゴリ探す
プラヅノ(イカヅノ)
11cm前後。複数色を混ぜて付ける
Amazon
楽天市場
投入器
これがないと絡んで釣りにならない
Amazon
楽天市場
電動リール
重い仕掛けを何度も巻き上げる
Amazon
楽天市場
イカ用バッカン・防水バッグ
墨は乾くと落ちない
Amazon
楽天市場

※Amazonのアソシエイトとして、Boat Dreamsは適格販売により収入を得ています。当サイトは楽天アフィリエイトにも参加しています。

あわせて読みたい

まとめ

  • ヤリイカ・スルメイカは冬の船釣りの主役
  • 電動リールと独立した釣り用バッテリーがほぼ前提
  • 仕掛けはまずブランコ。直結は慣れてから
  • 投入器がないと絡んで釣りにならない
  • 誘いは鋭くシャクって、止める。止めで乗る
  • 乗ったら数回シャクって追い乗せを狙う(1分程度まで)
  • 巻き上げは中速で一定、絶対に止めない
  • 冬の海。防寒と落水対策を最優先

釣りたてのイカの刺身は、この釣りをやる理由として十分すぎます。まずはブランコ仕掛けと投入器を揃えるところから始めてください。

※本記事の内容は一般的な目安です。ツノの本数や集魚灯の使用など、海域・船によって規制やルールがある場合はそちらに従ってください。